2011年3月11日を振り返る(2)
停電していること以外には情報が全くありません。実は、山形の震度は5強~5弱だったので、隣の宮城ほど揺れていません。(ここから数十キロしか離れていないのですが・・・)温泉街もポツポツと、徒歩で移動している人が見られる程度でした。
今日の宿に向かいます。この日はとても雪の量が多い日で、ずっと曇ったままでした。
地元の消防団が巡回していました。
今日、宿泊する「岡崎屋旅館」に到着です。(15:20) 宿では、大変な日に来てしまいましたねー、と声掛けされ、スキーをするつもりだった私は、スキーレンタルの件について問い合わせて、料金他を確認したのですが、全て無駄に終わりました。この日はリフトが全て停止し、翌日も当然動いていませんでした。後で聞いた話ですが、リフトに乗っていた人は振り落とされそうになりながら、1時間以上、リフト上で降ろしてもらうまで耐えていたとか。
何はともあれ、温泉です笑
実は、宿の人には何が起きるか分からないから入らない方がいいとか言われていたのですが、当時、あまり地震の状況について実感のなかった私は、あまり気にすることなく、温泉に入りました。(15:48)
入ってみたら、ちょっとぬるい!入れないレベルではないのですが、どうやら、お湯が十分に供給されていないようなのです。(後で聞いてみたら、源泉からお湯を吸い出すポンプが止まっていたため、お湯の量が不十分で温度が下がっていたとのこと)
とはいえ、ノンキに源泉の成分表確認してたりして・・・平成2年だからずいぶんと古いデータだけど、当時はPH1.4もあったのかぁ。パネエなぁ、とか思っていました。
暖まった体を冷却するために、外に繰り出します。この日は、平日だったこともありますが、人がいない。車はチラチラと見かけたのですが、、 宿の受付で、津波の噂が出てきたりして。え、仙台空港って沈んだの?(17:06)
上の台ジュピアも既に閉店。ちょっと早すぎじゃないのー?とか思っていました。(17:12)
宿の温泉が怪しそうなので、川原湯共同浴場を確認。ここは足下自噴の温泉なので、ポンプを使わないんですね。だからイケるんじゃないかと現地を確認。(17:19)
ここは無事でした。この時は使っていなかったですが、翌日の朝に利用。実は、足下自噴なのは確かなのですが、この浴場は加水をして温度を下げているのです。これが停電の影響で止まってしまい、さらに地震の影響で源泉からのお湯の出がよくなってしまい、翌日は熱すぎて入れないという状況でした。頭からかけ湯をしまくって温泉には入らないという、まさに湯治のような光景が翌日には見られました(苦笑)。
下湯共同浴場の無事も確認。(しかし、翌日は、ここも熱すぎて入れないという事態に・・・)
人が全然いないなか、やや賑わっている場所を見つけました。温泉街唯一のコンビニであるファミマの前です。(17:27)
停電してるから真っ暗なんですよ・・・でも、中にはなにやら人影が・・・
暗闇の中には人がいっぱい!大渋滞になっていました。電池は速攻で売り切れていました。やっぱ、みんな携帯の充電とかしてるのねー。(私はiPhoneのバッテリーケースを使っていたので、それで充電) 何を買ったかというと、予備の食料的なものとしてパンを少々(大半の食い物は売り切れてました)、後はジッポーライターのオイルを買いました。実は、この時、ハクキンカイロを使っていたので燃料を補給したのです。(このカイロのせいで、夜は凍えることなく眠ることができました)
コンビニも停電してるから当然POSなんて使えません。なんと、ハンディ端末があるんですね!これで決済していました。当然、クレジットカードとか、電子マネーなんてものは使えず、現金のみ。やはり非常時はこれだけなんだろうな、とはいえ、このバックアップ体制には驚かされました。
宿に戻ったら食事です。(18:10) 予備電源で点灯した暗い明かりの中で食う夕食は、人生でも最初で最後のもの?であってほしいものです。
隣の県では、津波に飲み込まれたり、雪が降るなか屋外に避難している人がいるなかでこのような食事が出来たことは、むしろ驚くべきことでしょう。使える具材が限られるなかで、これだけの用意をした旅館にも大変感謝です。後の情報によると、蔵王温泉街でも料理がちゃんと用意できた宿は少なかったようです。
この後、懐中電灯を1つ渡されます。電気消えますので、気をつけてお休みください・・・ の後は、寒くて長い一夜を明かすことに・・・
(続)