高級時計なるもの

最近、AppleWatchが出て、周囲の人の時計に関する思いが垣間見えて興味深い。

私の周りは高級時計をするような人がいない、どちらかというとガジェット系の人ばかりである。なので、Gショック電波時計、エコドライブ、GPS時計とか、そういう類いが中心になっている。そもそも、最近は時計をせずに携帯で時間を確認する人も増えている状況だ。

私はというと、実はその手の凝ったものはあまり使っていない。5〜10万くらいの価格帯にある、電池寿命の長い(10年くらい)年差時計を使っていることが多い。これは、一年でも5秒くらいしか時間がズレないので、そもそも電波時計のように時間合わせをする必要がないし、電池の持ちも良く10年おきにしか交換しないので、無理に日に当てて充電する必要もない。充電機構を持たないので故障もほぼないという代物だ。構造的にも、電波、充電式の時計と比べたら遙かにシンプルで、それでも高いのは、精度が高いロットのみを選定する必要があるからだろう。

そもそも高級時計というと、そのカテゴリーにクオーツ式が入ることはまずなく、機械式が当たり前だ。なぜ、そうなったのか、あそこまで面倒なものを使う必要って、私には分からないのだけれども、機械式のものは数十万がスタートラインのようで、おそらく、それに匹敵する価格のクオーツ時計なんてないんだろう。

そんな中、突然沸いて出てきたApple Watchの高いやつ。5000ドル〜だそうだが、クオーツ時計の中でもハイテク装備であるガジェット系時計としては最高値だろう。ガジェット価格を大幅に超えた価格設定にビビっている。まあ、買う気は全くないのでビビるだけなのだが。

ただ、Apple Watchは高級っぽく見せようとしつつ、スポーツ用にも見せようとしており、どうも販売戦略がアッチコッチに向いて統一感に欠ける気がする。本来の趣旨からすると、明らかにスポーツ寄りの製品なのだが、防水性がイマイチだったり、単独でGPSが付いていなかったり、iPhoneとの連携が必須(iPhoneを持ちながら運動するのならiPhone単独で十分では?)だったり、イマイチ、意味の分からない商品になっている。電池の持ちが悪いのもスポーツ用としては大きなハンデだろう。

高級なグレードのものだと傷が付きにくいガラスを使っているようなのだが、そもそも、高級時計をしながらスポーツをするという前提が妙だし、むしろ、スポーツ用は安い時計でガンガンに使うのが常識なのでは?とも感じる。

スポーツ用の時計といえば、先日、修理に出していたGarminのFenixJが戻ってきた。充電不良だったのだが、接続コネクタを掃除したら治ってしまったのか、故障箇所無しで返却されてきた。

IMG_4281

この時計は、どちらかというと家電か、スポーツ用品という位置づけだと思い、当初、ヨドバシ家電売り場の修理コーナーに持っていったのだが、時計コーナーで扱っていると言われ、時計の修理窓口に持っていくことになった。時計コーナーは、例えヨドバシであっても高級なものを扱っていることがあるので、それなりの職人さんが対応していて、ルーペで見ながら状態を確認し、修理受付をしている。

これは受付後に傷を付けていないことを証明するために行っている行為だが、Garminの腕時計のようなアウトドア向けのものにやっていると、ちょっと間抜けだ。山やスキーで使っていた時計なので、そこらじゅうに傷があるわけだが、その傷の場所を丁寧に記録しているわけだ。

「まあ、使っていると傷は付きますからね」

と言いながら記録を取っていたが、そりゃー、そうでしょう。その時計、剥き出しのままでそこらへんにガツガツ当たったり、放り投げたりしてるんだから(笑) ピカピカのアウトドアウォッチとか、冗談にしか思えない。

超高級品から、そこらで売っている数千円の時計まで扱っている時計修理コーナーでの奇妙なやりとりであった。

さて、この時計は、高級な部類に入るんでしょうか?一応、定価で49800円はそれなりの価格なんですけどね。